それでも、生きていく

昨年フジテレビで放送された「それでも、生きていく。」がDVD化されたのでそのレビューです。

vol.1

第一話はBOY Aみたいな話だなって思いながらみた。少年犯罪の加害者ものの映画で加害者の魅力を描くが、加害者の少年が変わったんだという場面に触れるとゾッとする。
確かに子供の頃の僕と今の僕は全く違う。あの頃の分別でしてしまった事を今はしないかもしれない。でも、その成長という要素で罪を許していいのか。
あの主人公のジャックは叫んでいる。僕はBOY Aじゃないと。。

BOY A [DVD]

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第一話は被害者の父親の話。柄本明が悪人のお父さんのまんまですね。悪いことが出来ない良い人の演技が本当にハマる役者だと思った。

第二話は加害者の妹の話。
犯罪を犯さない奴はどんなに追い詰められても犯罪を犯さない。そして、家族は強くどんな人間でも信じて支える。双葉の強さはとんなに信じて信じて助けても裏切られ、それでもまた信じる事ができること。
満島ひかりの説得力がすごい。裏切られるけど純粋に信じてる事をわざとらしくなく、自然に演じている。


vol.2

映画だと一つの作品は3部構成になっているそうです。

アメリカのドラマもそれは同じで1クール24話あるとしたら8話ずつ、大体DVDでいうと4本づつで展開が変わります。アメドラだと凄まじくて、脚本・監督が変わることもさることながら、登場人物もガラッと変わります。

日本だと1クールだいたい12本なので2枚目で最初の一つの話が終わります。

3話は被害者のお母さんの話。
大竹しのぶのバス停のシーンが凄かった。1人だけの語り口調が全てもっていくシーン。
満島ひかりが最初に張った緊張の糸を彼女がぶった切って話しはじめるあのシーンの迫力。すごい。
この泣きの演技見てそういえばと思ったんですが、時任三郎大竹しのぶ柄本明って天国までの百マイルって映画のキャストですね。
あの大竹しのぶの電話口で、時任三郎の嫁と大竹しのぶ扮するホステスの顛末を時任に語る大好きなシーン。怖いと感じるくらい強い一面を見せつつ、女性の弱さを見せて互いに泣く場面。
ハマり役ですよね。

このドラマ、キャラだちというより主要キャストの演技立ちがすごいね。
天国までの百マイルの方は感動的なとてもいい話なのですが、いまは懐かしのF-BLOODが歌う主題歌がかかった瞬間 映画が崩壊します。タイトルとなっている「天国までの百マイル」って歌があるのにあの主題歌は何だったのか。。



4話は加害者の父親の話。
ここでたぶん中盤に繋がるであろう一つの展開と新しい藤井って女の子と安藤サクラが話に登場します。
ちゃんと考えながら観たことなかったけど、やはり3部構成っぽい構造ですね。
さっき見終えました。観てすぐ寝て起きてから感想書きたかったのだけど目が覚めました。すごい展開。そして涙。
双葉じゃないが、
まいっちゃったな。

家族とは向き合わない方が幸せなんじゃないだろうか。
確かに家族が考えている事が1番わからん。


vol.3

鼻が痛い。
大竹しのぶのもっと凄いシーンにやられました。

1〜4話で人にクローズされてたのは物語の設定だったんですね。

5話は2人の人物、満島ひかり大竹しのぶの展開が行われる話でした。特に大竹しのぶ
各話のつながりが1〜4話とは違いストーリー中心になりそうです。なので話の終わりに翌週への期待値を示す要素がしっかり入っていました。次どうなるの?って要素ですね。
4話の終わりで先ず満島ひかりの展開がはじまります。
そこで5話をみせて大竹しのぶの展開が起こり、最後に風吹ジュンと風間くんの風風コンビが6話への風を起こします。
この話の転がりだけを意識した構造のドラマが日本には多くて嫌いなのですが、このドラマでは各話の主たるストーリーがちゃんと展開して、この回でいうと大竹しのぶの最後のセリフ「照れるな」で締めくくっている点でちゃんと一度終わっていて1話ずつみれるなと思いました。

で、5話ですが、噂のシーン。件のシーン。
ちょっと見続けられなくて一回DVD止めました。

あの怒り。

シークレットシャンシャインって韓国映画のお母さんも何年か後にはこうなってる筈です。

子どもを殺されました。

個人的な問題なのに何故か、社会的な問題になってしまいました。加害者には社会が糾弾します。でも被害者がしてくて頼んだ事でわありません。救われません。でも前向きに生きなきゃ。そうやって無理やり体を起こし生きてきました。
月日がたち周囲の人は彼女を生かせてることで満足。でも彼女は救われません。
一方加害者は社会の糾弾が終わり、新しい生活を前を向いて歩き出してます。

ここに法律とか宗教とか社会の大きな矛盾があるんです。

片方は救われずにドン底を生き、片方は罪を受ける事で救われ前を向くんです。

一体どっちが悪い事したの?

救われてんじゃねーよ!

私の望みはただ一つなんだよ!


ここまでのストーリー上、時任三郎は未だ救いがなく十字架を背負ってます。それはまだ糾弾の家中にいるからなのかもしれません。彼に救いを与えるのは柄本明亡きいま大竹しのぶただ一人なんです。
もう許してやれよって意見は社会側のスタンスでその中にいる風吹ジュン大竹しのぶに絡むのが6話への期待値として設置されてます。

シークレットシャンシャイン オススメです。「殺された側の論理」も合わせてオススメします。

殺された側の論理 -犯罪被害者遺族が望む「罰」と「権利」

殺された側の論理 -犯罪被害者遺族が望む「罰」と「権利」

しかし、最後のもう一つの風、風間くんの演技に一抹の不安を覚えるのは僕だけでしょうか。


6話は、フミヤにフォーカスした話。
なんかボヤッとしてたな。深みがない。

つづく...